肥満だとなぜ狭心症になるの?





肥満の95%は食べ過ぎと運動不足からくる単純性肥満というものです。
食べ過ぎはエネルギーの取り入れ過ぎ。
運動不足はエネルギーの貯め過ぎということです。
それら余ったエネルギーはやがて脂肪組織に変化。
そして血液にまで流れ込み、いわゆる「ドロドロ血」状態になります。
これが「動脈硬化」の原因となります。


さて心臓についてですが、心臓は一言で言えば体に血液を流すポンプ。
普通ポンプは押す行為によって液体を外へ流します。
心臓も同じ。この押す行為を行っているのが心臓の筋肉、心筋です。


筋肉を動かすには酸素が必要。その酸素を心筋へ送るのが「冠動脈」です。
心筋は特殊な筋肉で通常の筋肉に比べて3倍の酸素を必要とします。
しかも心臓は体内に酸素を送り出す中心部分なので、
体に入った酸素はまず最初にこの心筋に送られることになります。


冠動脈は心臓の表面を冠のように覆っています。
肥満が動脈硬化を引き起こすと書きましたが、
この動脈硬化がこの冠動脈で発生することを心臓病といいます。


心臓病には大きく分けて二つあります。
一つは狭心症。もう一つが心筋梗塞。
違いは心臓へ十分な血液が流れなくなるのが狭心症
血流が途絶え、まったく流れなくなってしまったのが心筋梗塞です。


writing by コタロー

肥満が引き起こす狭心症ってどんな病気?





肥満が引き起こす狭心症とはどんな病気なのでしょうか。


よくドラマなどで心臓を押さえて「うぅっ……」とかって倒れ、
「く、薬……」というと、そばにいた奥さんとかがすぐにバッグから薬を出して飲ませる。
なんていうワンシーン、見かけることがあります。まさにあの状態が狭心症です。


症状としては、一言で言えば心臓部の痛みと圧迫感。
寝起きの動き始めや食後、あとはカッとなったりして興奮した時などに起こります。
これもドラマのとおり。
胸が締め付けられるような痛み、のどの奥が焼けるような感じ、息が詰まる感じ、ズキズキとした痛み、そういった痛みを感じます。この痛みが約3分程度続きます。


初期段階でも走ったり、早足で歩いたり、階段を昇り降りした時にまず胸の辺りに違和感を感じます。息苦しくなったり、チクチク痛んだりもします。
また痛みはなくても、息が上がって胸が苦しくなったりなどというのも可能性あり。
痛みは心臓部以外でも起こります。胸の中央や胃、のど、奥歯、左手などと、人それぞれ。
だから中には狭心症の初期段階だと気づかない人もいます。


この狭心症が進むと、やがては心筋に酸素がいかなくなり、ストップ。
そうなると心筋梗塞です。つまり狭心症は止まりかけの車。
完全に止まってドカンと爆発する(心筋梗塞)、
そのちょっと手前、煙をあげてポンポン進む、あの状態ということになります。


writing by コタロー

肥満は心臓を圧迫 やがて狭心症へ





肥満はそれだけで心臓に、より負担をかけています。
体重が増え、見た目もまるまる太っても、心臓は同じ。


心臓を車のエンジンだと考えてみてください。
50CCのバイクのエンジンで、大型トレーラーを動かしているようなもの。
そりゃ動きも遅くなるし、それだけエンジンへの負担も大きくなります。


しかしそれだけではありません。
肥満になると内蔵、血液も太ります。体内脂肪、ドロドロ血というのがそれ。
そうなると心臓へ流れる血管にも負担がかかり、
心臓を動かす筋肉、心筋に十分な酸素を供給できなくなります。


つまりガス欠状態の50CCエンジンで大型トレーラーを動かすことになるのです。


そうなると息が上がるとか、汗がたくさん出るとかいう状態を通り越して、
痛みと圧迫感の苦しみへと変わってゆきます。それが狭心症です。


writing by コタロー

肥満が引き起こす狭心症。その治療薬、ニトログリセリン。





肥満は過度の動脈硬化を招き、
それが冠動脈に起こると、結果、狭心症という病気を引き起こします。


この狭心症の治療薬としてニトログリセリンという薬が使われます。
よくドラマで心臓を押さえて倒れた人が薬を飲むと、スーッと回復する、あの薬です。
しかし僕と同じ疑問を持ってる人も少なくないはず。


それって爆薬じゃん……???


そうなんです。ニトログリセリンはダイナマイトの原料にもなる爆薬なんです。
ちょっと古い映画ですが「恐怖の報酬」という名作がありまして、
ニトログリセリンを積んだトラックを荒くれモノの男たちが運ぶお話です。
ちょっとでも衝撃を与えようものなら、トラックごと大爆発してしまう。
ハラハラどきどきの傑作でした。


そんな爆薬がなぜ? と思いますが、これにはちょっとしたトリビアがあります。
ニトログリセリンの製造工場で働く狭心症の従業員が、自宅では発作が起きるのに、なぜか工場では起きない。これが発見のきっかけになったそうなんです。
しかもダイナマイトを発見したノーベルも狭心症だったといいます。


このニトログリセリン、血管を広げる効果があるそうなのです。
これを飲むと詰まった血管が広がり、心臓へ血液が流れるので、発作が治まるというわけです。
心臓が爆発しそうに苦しい時に爆薬を飲んで抑えるというのも、何とも皮肉な話ですね。
ちなみに医薬品のニトログリセリンは爆発しないようにできています。


writing by コタロー


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