僕のオバンの話をしたいと思います。
僕のオバンはまさに肥満から糖尿病への道を歩んだ人です。
そこからの合併症は肝臓をやられて、「黄疸(おうだん)」になり、何度も入退院を繰り返しました。
その後、病因から食事制限が言い渡され、メニュー表みたいなのを渡されて、それに従って真面目にがんばったので、結構長生きはしました。
ただ体重は激減。ゲッソリ痩せて、小さくなってしまいましたが。
印象に残っているのは、とにかく夜間によく発作を起こしたこと。
オバンはそのことを「震えが来る」と言ってました。
全身が青白くなり、ガタガタと震えます。角砂糖を舐めさせると発作は治まります。
それと足(太ももとふくらはぎ)がよく痙攣してました。
「痛い、痛い」というので、家族で順番に温シップとマッサージをしたのを憶えています。
もう一つ印象に残っているのはインスリン注射。
食前だったか食後だったかに、一日数回インスリンを注射します。
それは血管注射ではなく、筋肉に注射します。
インスリンの入った針を刺して一回、注射器を引きます。
もし血管に刺さっていたら、血液が入り込んでくるのでもう一度やり直し。
そして血液が入り込まないのを確認してインスリンを注入します。
看護師さんにレクチャーを受けて、僕が打ってました。オバンの太ももに。
でも筋肉に刺していると思っても毛細血管を刺していたりするんですよね。
オバンの太ももは青アザがいっぱい出来てました。かわいそうな光景でした。
だから身近に糖尿病に接してきた印象としては、完治がないので一生続くこと。これが辛い。死ぬまでずっと付き合わなきゃならないので。
そしてやはり合併症。医者はそのことを口を酸っぱくして言ってました。
幸い失明や足の切断、脳、心臓への影響がなかったのでよかったですが、あれが「盲導犬クイール」の主人公みたいに失明したりしてたら、本当に大変だったろうなと思います。
とにかくたいへんな神経を使う病気です。決して甘く見ないことですね。
writing by コタロー